2026年10月7日(水) 20:41
「保存」と「使いやすさ」 彦根市で歴史的建造物のバリアフリーを考える
世界遺産登録を目指す彦根城がある彦根市では4日、歴史的建造物のバリアフリーを考えるセミナーが開かれました。
このセミナーは、NPO法人・滋賀県脊髄損傷者協会が開いたもので、車いすユーザーや、県職員・県議会議員らも参加しました。
セミナーでは、寺社仏閣や城郭といった歴史的建造物のバリアフリーについて、大学教授らが東大寺や金沢城の例などを紹介。バリアフリーだけでなく、災害時の対応など他の課題も含めて総合的に見直す機会をつくることが必要などといった意見も出されました。
また、名古屋城建て替え昇降機担当委員も務めていた阿部一雄氏は、忠実性とバリアフリーを両立する建設的な議論が大事とし、ロボットやVRといった常に進化する技術を取り入れることや、設備だけでなく最後は人による支援も必要としました。
なお彦根市は、その一歩として彦根城の急な石段を歩行が困難な人でも登城でき、かつ石段などの史跡への影響を最小限に抑える手法として、かごを使って天守前の本丸まで上がる実証実験を10月行うことにしています。
このことについて阿部一雄氏は「最後のところは人による介助でも立派なバリアフリーだと思うので大賛成です。それを業とするのか、担ぐ人たちが仕事として成り立つかどうかという課題も出てくる。京都で人力車を押している人たちが職人としてやっているが、そういう形になるのが一番良いわけで、それを生業としてできるような体制が必要となってくる」と話していました。
また、滋賀県脊髄損傷者協会の前野奨理事長は「天守閣の中は望んでないんです。せめて近くでお城が見たい。車いすでも行けるように、杖ついた高齢者やベビーカーの人も。歩み寄れる案があるのではないかなと思うので、ぜひとも議論の場を設けてもらって、世界遺産登録と同時にバリアフリー化が進むことを願っています」と話していました。