特集「日野商人」ふるさとが結ぶつながり
2026年2月12日(木) 19:15
「近江日野商人館」などによりますと、日野商人は江戸時代から明治時代に特産の椀などを、関東圏の農民を対象にして行商していました。

1680年代には「日野大当番仲間」という商人組合が組織され、異なる業種を含む地縁を基にしたネットワークができました。これは全国的にも珍しいということです。

1885年に解散するまで約200年間にわたって毎年2月5日を「大寄り合いの日」として日野町に集まって、情報交換や課題の協議などを行ってきたということです。

近江日野商人館・満田館長「日野大当番仲間の組合員の名簿は、日野商人一人ひとりの名前が記入されている。約400人の組合員によって大当番仲間という組織が作られていた」
行商では農民層をターゲットにしていたため、代金が米などで支払われることもあり、現地に根付いて店を開いた日野商人もいました。
近江日野商人館・満田館長は「日野商人が行商から店舗を構える時は醸造業を始める。農村で作られているお米や麦などをもらう。これは非常に重たいもの。どうしたかというと加工する。米を加工するといえば、今も昔もお酒なんです」と話します。
日野町によりますと、現在も日野商人ゆかりの酒蔵が全国に少なくとも20蔵あるということです。創業1754年の栃木県真岡市にある「辻善兵衛商店」も日野商人ゆかりの酒造会社の一つです。

辻善兵衛の名前は1770年2月5日と記された組合員名簿に記載がありました。
辻善兵衛商店の辻達男会長「誇りに思っている。よく続いたものだと思って。昔の人がいろいろと努力してやってくれたから現在がある」

辻会長の祖父の代までは「辻善兵衛」という名前を代々引き継いで襲名していたと言います。こうした「日野商人」という歴史的なつながりで結ばれた酒蔵で新しいネットワークを設立しようとする動きが今、進んでいます。
日野町は2022年から関東で「近江日野商人サミット」を開いてきましたが、7日「里帰り」として今回初めて日野町でサミットが行われ、日野商人ゆかりの酒造会社を営む人々も参加しました。

サミットでは、栃木県の辻善兵衛商店や外池酒造店、茨城県の来福酒造など、7社が協力した「近江日野商人ゆかりの酒セット」がお披露目されて、当日限定で販売されました。

日野町はこうした連携を今後も進めていきたいとし、設立を目指す「酒蔵ネットワーク」には埼玉、栃木、茨城などの酒造業者が参加する予定だということです。

辻善兵衛商店の辻達男会長は「日野町は私の生まれの故郷であり、真岡市が育ての故郷です。日野へ行くと、とても懐かしい気がする。日野商人の店は、やめてしまったところもたくさんある。私のところは小さい蔵だが何とかやっている。いろいろと情報交換して今後の商売に役立てばと思う」と話していました。
日野町・堀江和博 町長は「まさにこれこそが関係人口であり、時を超えた故郷との交流みたいなことなので、日野町としてもうれしいし、今いる日野の人や、今の日本の皆さん、世界の皆さんに発信できるような魅力を伝えるような事業を広げていきたいと思う」と期待を込めて話していました。