原発運転差し止め訴訟 大津地裁は原告の請求を棄却
2025年12月25日(木) 19:21
福井県にある原発の運転差し止めを求め、滋賀県などの住民が関西電力を相手取り、2013年から争ってきた裁判で大津地裁は25日、原告の請求を棄却しました。
この裁判は2013年、滋賀県などの住民が関西電力を相手取り、福井県にある大飯・高浜・美浜のあわせて7基の原発について、地震や津波の対策が不十分などとして運転差し止めを求め、訴えを起こしていたものです。
この裁判では、老朽化による原発の安全性や住民の避難計画の妥当性のほか、放射性廃棄物の搬出の目途が立っていないことが、命をつなぐ権利の侵害にあたるかなどが争点となっていました。
提訴から12年―。
25日の判決で、大津地裁の池田聡介裁判長は「各原発の安全性に欠ける点があると認めることはできない」などとして、原告側の住民45人の訴えを退ける判決を言い渡しました。
判決後の会見で原告側は、「判決は、原発の安全神話に基づくものであり、この判決では琵琶湖の汚染などの甚大な影響は止められない」とし、控訴する方針を明らかにしました。
一方、判決を受け、関西電力は「当社の主張を、裁判所に理解いただいた結果と考えている。引き続き、安全性・信頼性の向上に努め、原発の運転・保全に万全を期していく」とコメントしています。