第1回 序章 滋賀県立琵琶湖博物館

画像

琵琶湖周辺に広がる暮らしや文化の多様な姿に光をあて、私たちの未来を描くヒントを探る。
第1回は、滋賀県立琵琶湖博物館を訪ねる。

第2回 高島市(南部)

画像

第2回は、高島市の南部地域を対象に、川の流域に人々が暮らし始めた歴史をたどり、そこに息づき受け継がれた祈りや祭などを紹介します。

第3回 近江八幡市

画像

第3回は、近江八幡市を訪ねました。琵琶湖岸にありながら山も平野も河川もある地形と温暖な気候により、古くから農耕が発達した歴史があり古墳も多く見られます。西の湖には島状の飛び地「権座」があり、今でも田舟で農業機械や米を運びながらの農業が営まれています。日牟禮八幡宮の例祭、八幡祭ではヨシで松明を作り灯す文化が今も継承され、人々の絆を結ぶ大切な行事となっています。

第4回 長浜市(北部)

画像

第4回は、滋賀県の湖北地方に残る観音信仰をお伝えします。湖北地方は古くから奈良や京都をはじめ東海地方や北陸地方にもつながる交通の要衝であり、軍事的にも重要拠点であったことから、姉川、小谷城、賤ケ岳など幾多の戦場となりました。そのたびに村人たちが自分たちの村の観音さんを守り、中には1,000年以上の時を超えた今も脈々と守り継がれている歴史があります。

第5回 大津市(北部)和邇・小野

画像

歴史の教科書で登場する遣隋使の小野妹子。皆さんは小野妹子が滋賀県ゆかりの人物であることをご存じですか?旧志賀町の和邇・小野地区は、小野氏ら豪族がかつて活躍した場所でした。近江から日本の外交の礎が築かれたとも言えます。小野姓はこの地から広がったとの説もあり、小野一族の祖を祀る小野神社には全国各地から参拝者が訪れます。

第6回 野洲川流域 守山市・野洲市

画像

野洲川は、琵琶湖へ流入する河川の中で最も長く、最大の流域面積を誇ります。野洲川の下流域は弥生時代に日本有数の穀倉地帯となり、守山市では全国的に注目度の高い遺跡が多く発掘されています。特に、国指定遺跡である伊勢遺跡では、わが国の成り立ちを知るうえで重要な手掛かりが発見されました。また、野洲市では、同じく弥生時代に農耕祭祀の道具として使われた銅鐸が多数見つかっています。
今回は、それらの遺跡や出土品から見えてくる「滋賀県のはじまり」を探ります。

第7回 米原市

画像

米原市は新幹線停車駅で知られていますが、さかのぼると縄文時代から既に人々の暮らしや交流があり、江戸時代には中山道の宿場町も栄えました。
滋賀県内最高峰の伊吹山は、豊かな水や植物のめぐみをもたらし、今も昔も地元の方々の「里山」として親しまれています。
上野地区では、山の恵みに感謝する太鼓踊りがコロナ禍を経て8年ぶりに実施されました。
伊吹山は2023年7月に発生した土石流によってふもとからの登山道が閉ざされていますが、少しでも良い環境に戻して次世代へつないでいきたいと願う人々の想いをお聞きしました。

第8回 彦根市

画像

彦根市のシンボル、彦根城。天守は現存十二天守のうちのひとつで、国宝にも指定されています。
かつて堀と琵琶湖がつながっていて「水城」とも言われた彦根城ですが、幕末の争乱や廃城令、第二次世界大戦の戦禍からも運良く逃れ、変化に富んだ美しい姿を今に残しています。その彦根城をどのように後世に残していくのか?世界遺産登録への動きなど、彦根の歴史や文化の魅力を再認識し、新しいまちづくりに取り組む姿を紹介します。

第9回 甲賀市水口町

画像

現在の甲賀市は琵琶湖から離れた位置にありますが、かつてはこのあたりに琵琶湖が存在していたことを古琵琶湖層群という地質から知ることができます。
その地層の一部を目にすることができるみなくち子どもの森では、自然とふれあう機会を通じて、身近な自然に気づいてもらうきっかけづくりとなる活動が行われています。
また、今郷地区で棚田の保全に取り組まれている活動も紹介します。宿場町の風情が残る街並みや、水口岡山城、水口城にもふれます。

第10回 多賀町

画像

多賀町には豊かな自然と貴重な歴史遺産があります。
2億8千万年前の海の中でできた石灰岩が浸食されてできた河内の風穴は、関西でも有数の鍾乳洞です。また、今から約180万年前の多賀町は古い琵琶湖の池や沼が点在する湿地帯でした。
その地層から見つかったアケボノゾウの化石は、骨格の大部分がそのままの状態で発掘された貴重なもので、2022年には国の天然記念物に指定されています。
鎌倉時代に隆盛を極めた敏満寺の遺跡には、当時の人々の様子を知るうえで貴重な石仏谷墓跡が見つかっています。
延命長寿の神として古くより「お多賀さん」と親しまれ信仰を集めてきた多賀大社では、神社が自然と共存し、その中で人々が恵みを得てきた歴史についてお話を伺い、年の始めに行われた祭事「歳旦祭」を訪ねました。

第11回 東近江市伊庭町

画像

東近江市は、鈴鹿の山々から琵琶湖までが一つの市域となった、森・里・川・湖が広がる多様性のある自然が特徴の市です。
能登川地区の伊庭町は湖東平野に残る水郷集落のひとつで、湧水を源流とする伊庭川から引かれた豊かで美しい水が町じゅうを水路として流れています。
伊庭の水辺景観は、平成27年に日本遺産として認定され、平成30年には重要文化的景観にも選定されています。戦乱や近代化の波を乗り越えて、先人から大切に受け継がれてきた伊庭町の水とともにある祈りと暮らしを訪ねました。

第12回 草津市

画像

草津市には東海道と中山道との合流地点の宿場町として栄えた歴史があり、歌川広重の浮世絵には当時のにぎわいの様子が多く描かれています。今回は、浮世絵に登場する草津宿の昔と今を訪ねます。
貴重な史跡である草津宿本陣や、江戸時代の旅と街道をテーマに歴史文化を学習できる草津宿街道交流館を訪問し、さらには古くから地元の神社を支え、街道の整備にもあたられた居住組の方のお話も伺いながら、道の国として栄えた近江・草津の歴史をたどっていきます。草津市の花であるアオバナから作られる青花紙の技術継承についてもお話をお聞きしました。

第13回 日野町

画像

霊峰 綿向山を東に望む日野町は、古くは渡来文化を取り入れた遺跡が見つかっていて、中世には蒲生氏郷に代表される蒲生氏の城下町として発展しました。
江戸時代には、近江日野商人が漆器の椀や合薬の行商から発展し、まちにも様々な文化をもたらしました。
日野町特有の景観である「さじき窓」を活かしたイベントや、合唱のまちとして知られる側面もご紹介します。
訪れた人を懐かしく感じさせる風景とあたたかい人々の想いにふれました。

第14回 豊郷町・甲良町

画像

豊郷町は、初代伊藤忠兵衛など代表的な近江商人を輩出し、さらにはその財を地元に還元する意向で建てられた豊郷小学校旧校舎群など、愛郷心を感じられる施設がいくつもあります。江州音頭発祥地としての保存継承の取り組みもご紹介します。
甲良町は、バサラ大名の佐々木道誉、築城の名手 藤堂高虎、日光東照宮の大棟梁 甲良豊後守宗廣の三大偉人ゆかりの地です。湖東三山のひとつ西明寺では、天台宗と琵琶湖の関係についても伺いました。