湖東記念病院国賠訴訟 国を相手取り控訴
2025年7月31日(木) 18:38

元看護助手の西山美香さん(45歳)は、2003年に、東近江市の湖東記念病院で入院患者を殺害したとして、殺人の罪で懲役12年の実刑判決を受け服役。その後2020年に、やり直しの裁判=再審で無罪が確定しました。西山さんは、県警や検察の違法行為により殺人犯の汚名を着せられたとして、国と県に合わせて5500万円余りの損害賠償を求める訴えを起こしていました。
7月17日、大津地裁は、警察官による違法な取り調べがあったとし、県に対し約3100万円の賠償を命じる判決を下しました。

この判決について県警本部・池内久晃本部長は「被告・滋賀県の主張が認められていない部分はありますが、今回の判決内容を重く受け止め、原告のご心労やご負担にも思いをいたし、控訴しないことと致しました。」と述べ、
滋賀県の三日月知事は「違法性が指摘されている判決に対して、控訴しないということはその違法性をみとめるということ。こういった県として判断させていただいたということを受けて、西山さんがどの様にお思いになるのか、西山さんの気持ちに寄り添った対応を考えていきたい」と述べました。
一方、大津地裁は、検察には調書に虚偽があったことは判断できなかったため違法性はないとし、国への請求は棄却していました。

大津地裁の判決を受けて、西山さんの弁護団は、国への請求が棄却されたことを不服とし、31日に国のみを相手取って控訴したことを発表しました。

控訴を受けて、大津地検の中山博晴次席検事は、「引き続き、国家賠償請求訴訟は係属することとなるので、答えは差し控える」とコメントしています。