湖東記念病院事件・国賠訴訟 県に約3100万円の賠償命令
2025年7月17日(木) 18:46

大津地裁は17日、県に約3100万円の賠償を命じる判決を言い渡しました。国への請求は退けました。
判決の日の17日、西山美香さんは大勢の支援者らとともに裁判所に入りました。

元看護助手の西山美香さん45歳は、2003年に東近江市の湖東記念病院で入院患者を殺害した罪で、懲役12年の実刑判決を受け服役した後、2020年にやり直しの裁判=再審で無罪が確定。
県警や検察の違法行為により、殺人犯の汚名を着せられたとして国と県に合わせて5500万円余りの損害賠償を求める訴えを起こしていました。

一方、国と県は捜査に違法性はなかったと主張し、訴えを退けるよう求めていました。
そして、17日の判決で大津地裁の池田聡介裁判長は、当初は全く言及がなかった人工呼吸器のアラーム消音機能について利用したかのような供述を誘導したと推認されるとし、
さらに「否認調書を作成しなかった」ことなど、警察官による違法な取り調べがあったことを認め、県に対し約3100万円の賠償を命じました。

一方で検察には、調書に虚偽があったことは判断できなかったため違法性はないとし、国への請求は棄却しました。
大津地裁の判決に対し、県警の木林誠監察官室長は、「判決の内容を精査した上で、今後の対応を検討していく」とコメントしています。